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エンディングノートの活用

エンディングノートには何を書く?

 

 自分が亡くなった後のことを、さまざまに想定して書き遺しておけるエンディングノート。自筆の遺言書は、自分で管理していた場合、裁判所の検認(遺言書の存在および内容を確認する手続き)が必要ですが、エンディングノートは誰の許可もなく開封できる手軽さがあります。
 また、遺言書は形式が細かく決まっていますが、エンディングノートは自由です。ただし、遺言書の代わりにはなりません。
 エンディングノートは書店でも売られており、インターネットでダウンロードすることもできます。書いてみることで、今自分にどれくらいの財産があるのか、相続人には誰がいるのかといったことを整理しながらじっくり考えることができ、遺言書を準備する前のたたき台とすることができます。
 エンディングノートに書いておくと役立つことには、たとえば、以下のような項目があげられます。
●自身の基本的な情報
●家族や親族の一覧表、重要な連絡先
●相続に関すること
●資産について
●電子財産について
●持病やかかりつけの病院について
●自身の葬儀について


遺言書との内容が矛盾していないか注意

 

 このほかにも、たとえばペットがいる場合などは、世話の方法やかかりつけの病院など、自分がいなくなった後も幸せに暮らせるよう、できる限りの情報を残しておけます。

 また、価値の高い財産は遺言書に記す必要がありますが、『趣味で描いていた絵』『思い出のアルバム』などについても、エンディングノートで譲渡先を指定しておけば、遺された人も困らずにすみます。
 さらに、自分の訃報を知らせて欲しい人や、お世話になった人のリストなどもつくっておくと安心です。
 なかなか「遺言書を書こう」という気にはなれなくても、エンディングノートなら気軽に取りかかれるのではないでしょうか。
 遺言書がある場合、エンディングノートを書きすすめるうちに、遺言書と内容が矛盾してくる可能性も出てきます。その場合は、本人の意向にかかわりなく、遺言書の方が優先されてしまいます。どちらも定期的に見直して、内容を更新しておきましょう。
 “これからの人生のため”という前向きな意味で、エンディングノートを活用してみてはいかがでしょうか。